arc の日記

はてなダイアリーから引っ越してきました。さらに新しい記事は https://junkato.jp/ja/blog/ で書いています。

UTECインターン終了

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先月末、東大のなかにあるベンチャーキャピタル(VC)UTECでの二ヶ月弱のインターン「UTECサマーサーチ2010」が終わりました。インターンでは、去年のように一人(+中の人たち)ではなく、応募時のチームで協力して、ときどき中の人のメンタリングを受けながら課題に取り組むことが求められました。また、業務の最前線への実戦投入というよりVCやベンチャーに関する基礎知識の啓蒙活動という面もあって、週一回のレクチャーがありました。

大企業のサラリーマンは一昔前なら終身雇用が期待でき、安定した業種だったかもしれませんが、このご時勢かえってハイリスクでしかもローリターンという見方もあるので、では他にどういう生き方があるのか、という選択肢の一つとしてベンチャーは有望株の一つ…かもしれません。ベンチャーに話題を絞ったMBAの簡易版のような講義は興味深いものでした。

ちなみに、起業サークルみたいなものがホリエモン時代の名残でまだ大学内にあったりするけど、あれとベンチャーは似て非なるもの。ただ単に会社を作ればいいのではなくて、核になる技術や人材と、会社の大幅な成長を見込める計画があって初めてベンチャーと呼べるようです。その中でも運や社会情勢、諸々の状況が加味されて最終的に成功できるベンチャーは一握り、ただしIPOやバイアウトで創業者に期待できる利益率は十倍以上。まさにハイリスクハイリターンというやつですね。

実際に取り組んだ課題は、まだビジネス化されていない技術シーズを探して、ビジネスプランとして立案するというもの。インターン生の興味にしたがってシーズを探すので、そもそも興味の範囲がはっきりしていないと厳しいインターンだったように思います。僕らのチームはITに関するビジネスプランを立案しました。ただ、最初に考えていたプランをVCにとって魅力的なものに練り上げられなかったため、途中で方針転換し、最終的にはネット家電に関するビジネスプランを立案しました。が、何というか、ひどかった。中間審査を経て三チームが最後まで残ったんですが、発表内容としてはダントツ最下位で挫折感を味わいました。

総括としては、方針転換後にチームがばらばらになったのがいけなかったなぁ。誰一人としてインターン開始時のやる気の水準を保てないまま、負担が偏った状態で何とか面子を保ってゴールインしたという感じ。以下に貼った直後のまとめTweetsが生々しいというか青臭いというか。こういうのが残るところがネットというかTwitterの凄いところですね。

  • 時間的、能力的に出来ない事を出来ないと表明する、またそれ以前に出来ないと前もって認識するというのは関係者に対して最低限責任を果たすべきところで、また個人の信頼につながる重要な点。それを変なプライドで出来ないのは滑稽だし、予測する能力が無いのは罪だし、どちらも何より迷惑でしかない。 posted at 13:39:48 by @nakashima333
  • ただ、できるできないの判断で最も難しいのは、そもそもそのやろうとしていることが一体何なのか、やり始めの時点では分からないところにある。漠然とした目標だけを掲げた計画は失敗する。そして、目標がこなすべきタスクの列に分割できたとき、その目標はほぼ達成されている。 posted at 13:44:43 by @arcatdmz
  • 三者に話を真面目に聞いてもらってフィードバックを受けるというのはとても大事な機会だと思う。うまくいけば、ふわふわした話でも、やるとしてどこが面白いのか、何を作るのか、まで詰められる。 posted at 13:48:49 by @arcatdmz
  • 100%はコミット出来ないと言うなら、自分は何がどこまでならできるのかの認識を共有した上で、ゴールとマイルストーンをきちんと設定し進捗に応じて見直すべき。ただ最初の認識共有で「空気を読んで」自分の把握したキャパシティを多く言ってしまったりすると、それは後々不幸だし大変失礼。 posted at 13:50:41 by @nakashima333
  • 相手の理論を論破、否定したいなら客観的に納得のいく数値等の証拠を出すべきだし、意見が衝突しても、良い所があるなら一段自分が下がって相手に手柄を譲って受け入れるべきだし、とかくプライドは複数で成果を出す過程では邪魔でしかない。特にビジネスでは内ゲバの分だけ競合が相対的に有利になる。 posted at 14:04:16 by @nakashima333
  • 客観的に納得のいく根拠が出せる例なんてごく稀なのが難しいところなんだろうな。 posted at 14:08:52 by @arcatdmz
  • まあ一般論なので、僕はこういう話を聞いたときは自分に必ず当てはめて考え反省することにしている。人のふり見て我がふり直せというが、人のふりを一度抽象化し形を変えて自分にも当てはまらないか注意深く探し反省する。大体は一個につき当てはまることが何パターンもあってよく凹む posted at 14:13:17 by @nakashima333
  • @arcatdmz まあ客観的、100%、は言い過ぎにしても、関係者はある程度納得させないとうまく進まないよね。難しいことだけれども。 posted at 14:16:25 by @nakashima333
  • @nakashima333 そうだねぇ。まぁ今回はまともに話ができなかったのが一番の問題だったと思うよ。 posted at 14:20:29 by @arcatdmz
  • 言わなくてもわかるでしょ、というのは一番危険で、かなり細かい所まで具体的につめて合意した意図を伝えずに、材料や時間だけを誰かに渡すのは、自分が主体な芸術とか自己表現的なもので無い限りはうまく行かない。設計図なしでは大工がいても家は建たない。 posted at 14:20:06 by @nakashima333
  • @arcatdmz それはそのとおり。まあ不満を互いにきちんと伝えるのがうまくいかなかったと、その点は結果的に仲介役になってた僕の力不足な点だと反省してます。ごめんね。 posted at 14:23:26 by @nakashima333
  • @nakashima333 やめるタイミングを逃したあと、言いだしっぺに説明および主導する責任があるという流れのままだったのがつらかったな。元々フラットなチームだったわけで、だめそうなら代案を出すべきだったし、まぁ、かといって代案はないし、出たとしても進める時間はなかったし…。 posted at 14:26:23 by @arcatdmz
  • ひさびさに、詰んでる状態のまま進行する辛いプロジェクトを体験した、ということで、勉強になった。反省点は多々、今後に生かそう。ここ数年で、だいぶ自分の得手不得手が見えてきた気がする。 posted at 14:27:59 by @arcatdmz
  • @arcatdmz ネガティブなことを言えるだけのチームビルディングができていなかった、というのと、まあみんな頑固なのとで、うまく行かない不満の矛先が提案者に向かってしまった、という感じだろうね。スケープゴート。そこにタイミング悪くいろいろなことが重なってしまったと。 posted at 14:33:06 by @nakashima333
  • @nakashima333 そうだね。各々自分のためにチームを作っていて、もちろんそれは必要なことなんだけど、それ以外の結びつきが漠然と共有している目標だけだったという点で、目標がズレたらチームが崩壊するっていうのは、そりゃあ言ってしまえば当たり前だったのかもしれない。 posted at 14:35:47 by @arcatdmz
  • @nakashima333 謝るこたないです。今後ともよろしくね。 posted at 14:32:18 by @arcatdmz
  • @arcatdmz 僕も勉強になりました。いや、こちらこそこれからもよろしくね。 posted at 14:34:32 by @nakashima333

このインターン、恐らく来年以降もパワーアップしつつ継続されると思うので、本学に所属するベンチャーに興味がある学生は参加してみるといいですよ。