arc の日記

はてなダイアリーから引っ越してきました。さらに新しい記事は https://junkato.jp/ja/blog/ で書いています。

シンポジウム(第51回プログラミング・シンポジウム, 箱根)

これを書いている時点(3月も後半…!)からもう二ヶ月以上前のことになりますが、箱根で毎年開催されているシンポジウム(基本的には査読なし。学会と研究会の中間?)で講演してきました。写真は、夜の「自由討論」で語る和田英一先生。情報科学の分野ではたぶん知らない人のない、すごいひとです。

ずいぶん間があいたのは、ちょっと人生に悩んでいたから…ではなくて、いや、悩んでいたことには違いないのですが、主題は研究のことでした。昨年未踏IT人材発掘・育成事業の支援を頂きつつ開発していたソフトウェアをどう論文にまとめるか、切り口を見出せないでいたのです。

このシンポジウムで発表してきたのが正に課題のソフトウェア「matereal」に関することで、頭の中がまとまっていない状態での発表だったため、全く満足いくものにはなりませんでした。悔しいなぁ。

発表スライドはhttp://handsout.jp/slide/2418にあります。ざっくり言うと、小型の移動ロボットを用いたアプリケーションを作るときに直面する問題を解決するツールキット(道具)を作りました、という内容だったのですが、そもそも「小型の移動ロボットを用いたアプリケーション」って何?というところがすっぽり抜け落ちていました。小型の安価なロボットを使ったアプリケーションって実際ぜんぜん見ないし、実はそのアプローチ自体が新しいんだけど、そこの議論が抜けていた。

そんなわけで「で、このツールキットを使って何がしたいの?」という厳しい指摘もいただきました。スライドの一番最後に一枚だけアプリケーションの例が載ってますが、それじゃあ…ねぇ。一方、「ツールキットが完成したら教育用途で使ってみたい。」というような好意的なコメントもいただきました。他にも色々と有意義な意見や問いかけを頂き、頭の中を整理するうえで非常に大事な機会になりました。

頭のなかで整理がついてないことを話したときの反応として、「こう思う」という意見と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に、「それってこういうこと?どういうこと?」という問いかけは貴重かも。

煮詰まったときって、それ以上、自問自答ができないんだよね。トートロジーのようだけど。

帰りの駅のホーム。箱根登山鉄道、レトロで(実際古い)いい味です。